最初にお断りしておきますが、これは映画の話。「原作はそうじゃない」って方がいらしたら、ぜひたきがはまでメールください。お待ちしてますわ。
で納得いかない点。
一つ目。先生方の依怙贔屓が激しすぎる。ラストの成績発表のところ、嬉しそうですね、マクゴナガル先生。よくよく見てるとこの先生ってグリフィンドールが勝つと喜ぶし、ハリーがちょっといいことすると甘い顔。最先端の箒までプレゼントとはよほどお気に入りのようですけど、依怙贔屓が激しくないですか、ああた。しかし待て待て。ダンブルドア校長だって嬉しそうじゃん。最後の最後、スリザリンとグリフィンドールの成績が並んだ後の点なんて、グリフィンドールを勝たせるための口実としか思えない。というかその前の点数だってかなり強引。あとの2つのクラスなんていたっけ? てな具合。グリフィンドール(ハリー)対スリザリンという図式は明確な上、スリザリンの生徒の汚いこと汚いこと。クィディッチの試合運びなんて悪役そのもの。対するグリフィンドールは正統派。いい子ちゃんのグリフィンドールは「ウサギとカメ」のカメよろしく、正当に勝つ。こんな学校嫌だね。先生の依怙贔屓っていやあ、あたしゃ苦い経験があるんですよ。特別な子、ハリー・ポッター。じゃあハリーのために学校作れば? みぞの鏡だってハリーが引っかかっちゃいけないから校長がしまう。その前に死んだって人たちには責任感じてないの? 自己責任と言われればそれまでだわね。
二つ目。脇役がハリーの引き立て役にすぎない。ドラコ=マルフォイ? 主人公以上に魅力的だからライバルっていうのは成り立つんですよ。ドラコなんて悪役にもなりゃしませんて。特別な、先生方にも番人にも覚えのめでたきハリーが踏みつぶす石ころやね。その石ころとしての魅力さえない。最初にハリーを不当に怒らせることで取り入ることができなくなった、処世術のABCさえ身につけていないお馬鹿な少年。子どもらしからぬオールバックのヘアスタイルで嫌らしさ倍増。親友のロン。彼は最初からハリーに取り入っている、処世術の達人、長いものには巻かれろ。自称「ガリ勉」少女ハーマイオニー。自分を「ガリ勉」と卑下した君の勝ち、天才ハリーには下手に出ろ。だってどうせ最後のボスには勝てないじゃん。ロンともどもハリーのために道を開け(でもチェスでロンが倒れなきゃいけない理由って? プレイヤーなら盤の外にいろよ)。スリザリンのシーカー、ハリーがぼさっとクィディッチ見てる間にゴールデン・スニッチ取れよ。その実力がない? ごもっとも。ハグリッド。とても校長の言うような「命どころか」、ハリーたち一年生に解かれるような学校の秘密さえ預けておけない口の軽い男。取り柄:いい人。ふられ文句の常套句。学校の外で学校の秘密をしゃべる阿呆がどこにおろう。実はハリーの最初の信奉者と思われる。スネイプ先生。見るからに悪役顔で最後までハリーに疑われるも、無実が判明してハリーが謝らなくても絶対に怒らない、実はいい先生。謝らせろよって言うか、謝れよ。ダーズリー一家。「みにくいあひるの子」のあひるの親にも劣る、ほんとにハリーを引き立てるためだけに出てきた人たち。魔法省なる役所さえ存在するのに魔法使いが認められないのは、自分たちに魔法の才能がないからで、特にハリーの母親を姉に持つ叔母さんのコンプレックスが凄まじいのではないかと思われる。こんな夫婦に育てられたハリーの性格が歪んでない理由がわかりません。ミスター・フィルチ。禁断の図書室に忍び込んだ犯人の探求さえしない役立たずの管理人。図書室でランタン落としても気にしない。だって犯人ハリーだし。クィレル先生。素手でハリーに立ち向かったらかなわないことがわかっていても遠距離攻撃ができない、実はいい人? こんなお人好しを配下にしているヴォルデモートって間抜けじゃん。
三つ目。ご都合主義。事件があるところにハリーあり。というかハリーが解決するために事件は起きる。トロールの侵入、ユニコーンの殺害、賢者の石も全てはハリーのために。だってハリーは特別な子。ヴォルデモートを倒してくれる魔法界のヒーロー。まだ話は序の口さ。
こんな映画のどこがおもしろいんだか、どなたか教えてくれませんかね。
(了)