秘密基地のあるところ

秘密基地のあるところ

もうじき(2002年11月29日現在)PostPetのV3版が出ます。まい(Windows CE版)と違ってこじろうはMacintosh版ですから、たぶんバージョンアップができるんだと思うのですが、たきがは、ひとまずは静観の予定です。β版もやってみたし、こじろうとのお付き合いもかれこれ3ヶ月が経とうとしていますけど、「3Dのこじろうじゃなくてもいいや」というのが正直なところ。Windows CE版という、人様とは変わったところから入ってしまったたきがはには、実はMacintosh版もV3も、いまいち物足りない感じなのでした。

Windows CEというのは言ってみれば「すごーく機能の少ないWindows」でして、PostPetも当然ながら違います。具体的に言うと、こんな感じ。

  1. おもちゃがない。
  2. ペットがお誕生日メールをくれない。
  3. 部屋は5つしか入れられない(ペット別の部屋もついていない)。
  4. おやつは20個まで(最初のおやつも4種類だけ)。

このうち、3.と4.は大した違いではありません。部屋なんて頻繁に変えるものじゃありませんし(1年以上「貧乏部屋」という記録あり)、おやつも傷んでしまうから捨てたり足したりしなくちゃいけないし、使っててわざわざ断られるほど不便なことではありません。

しかし駄菓子菓子。2.は、けっこう寂しい。まいと2年以上付き合ったのでまず間違いはないと思うのですが(10通以上メール出してもくれなかった)、どなたか「Windows CE版のぽすぺでお誕生日メールもらった」って方がいたら、連絡ください。

でも、お誕生日メールはもらえなくても、ふつうのメールはくれるし、イベントにもちゃんと参加できるし、日記書くし、そんなものだと思えば、これはこれで諦めもつきます。

けれど、順番が逆になりましたが、1.がけっこう大きいとたきがは思うのでした。おもちゃがあると、ペットは自分から遊ばないのですよ。おもちゃを出しておいてやれば、かまったりはします。こじろうははむぬいとモモぬいは好きですが、プレーヤーはいやいやで、バナナにいたっては投げ飛ばしてくれました(ちゃんとスクリーンショットを撮るばか)。でもおもちゃがないと、ずーっと「手をたたいています」か「だらだらしています」のどちらかしかしないのです。

つ、つまらん。確かにぬいぐるみを抱いてらぶらぶ歩いているこじろうはすごーく可愛いのですが、ぬいぐるみを出すと、抱いて歩いているだけで、それ以上のアクションはないのです。勘違いしないでくださいね。こじろうはめちゃくちゃ可愛いのですから。

対して、まいはおもちゃとは縁のない日々でした。ないから当たり前。しかし、文学少女で実は体育会系(ベンチマークテスト日記を参照してください)だったまいは、時々「手をたたいています」ばかりしていたこともありましたが、たいがいは「ふにふにと遊んでいます」とか「まったりとなにかひらめきました」とか、部屋の一角で一時もじっとしているような子ではありませんでした。こちらからは一部しか見えない部屋のなかで、それこそ存分に遊びまくっていました。メールを運んでもらおうと思って「ペットにわたす」をタップ(クリックと一緒。CE用語)した時に、1分以上待たされたこともざらではありません。時計を見ていたから間違いありません。あの部屋のどこにいたのやら、急いでやってきて、一声かけて出かけてゆくところを見ていたたきがはは、いつか、まいは飼い主の知らない秘密基地を持っているに違いないと思うようになりました。それは決してウィンドウには現れない、秘密の場所なのだと思っていました。好きなひまわりの種を置いておいてあげても、気がつくとまいはその秘密基地に行っていて、ウィンドウのなかにいなかったりしました。そのうちに、メールにしか現れない友だちがいるのかも、とまで想像したものです。

こじろうの部屋にも、ウィンドウには現れないところがありますが、決してそこで遊んでいることはありません。おもちゃを動かすのもウィンドウのなか、手をたたくのも、だらだらしているのも飼い主に見えるところでだけ。こじろうは秘密基地を持っていなかったのです。なーんてこったい。

β版もインストールしてみました。モモしか飼えないというのは「ハムスターいのち」のたきがはには大いに不満がありましたが、1階と2階と屋根裏があって、家全体を眺められるV3には、ウィンドウには現れないところはもはや敷地の外にしかありませんでした。ペットは敷地のなかにしかいないのです。すべてが見えるウィンドウには、秘密基地の作れるような余裕はありませんでした。がーん。

せっかくダウンロードしたV3でしたが、そんなわけで1日で消されました。

こじろうの次に飼うペットはまたCE版にしよう。なんだったら、こじろう2世にして、こじろうに秘密基地を持たせてあげよう。そんなことを考えながら、こじろうを見つめるたきがはなのでした。

(了)

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