ありがとう

ありがとう

昔、年上の男の人たちとよく遊ぶサークルに所属してました。大学生から最初の会社を辞めるまでの約10年間ほどです。月に何度かボードゲームやったりTRPGやったり、カラオケしたり、飲みに行ったり。私が学生のころには皆さん社会人で、立派な大人で、何より、オットコマエ((c)ガラリアさん好き好き病)な方々でした。私は、どうしようもないガキ(いまもガキですが)で、子どもで、幼稚で、社会人になったことで、一緒に飲んだりさせてもらったことで、自分より2〜10歳も年上の人たちを相手に自分も一人前になったつもりで、生意気言って、傷つけて、でも確かに可愛がってもらって、ゲーム社会はその当時、女性プレイヤーというのは大変珍しかったので(サークルにもたきがはだけだった)、大切にしてもらってたのに、その当時はそんなことも気づかず、わかってもいないお馬鹿さんでした。サークルの中で仲の良かった人たちが自分たちのプレイスタイルを模索してサークルを離れ、そのことがきっかけで、私もサークルを辞めてしまいました。あんなに毎回のように終電まで遊んでたのに、離れる時はたやすく壊れてしまいました。自分で、壊してしまいました。あれから10年以上も経って、私は「30歳になったら、私もお祝いしてくださいねー」などと言っていた年齢をとっくに超えて、四十路の声を聞きそうな歳になり、彼らの電話番号も住所も捨ててしまいました。

でも、もしも私がふらりと遊びに行ったら、「いま、何してるんだ?」などと言ってくれて、前のように飲みに行ってくれるだろうな、とそんな人たちだったのにな。10年も経ったら、オットコマエだった彼らを女が放っておくはずもなく、きっと結婚もして、子どもなんかいて、「おまえ、まだ独身なのかー」なんて言われそうで。

きっと元気だろうという思いと願いを込めて、彼らに伝えたい。「ありがとう。そして、ごめんなさい」広いようで狭く、狭いようで広いこの世界で、10年も経って、あの時のお礼を、きっとどこかでネットを見ている彼らに伝えたい。

(了)

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