印象に残った言葉 2019年版

印象に残った言葉 2019年版

「あなたがたが知りたいのは、理解したいのは、きりがついたとしてページを繰るためではないのか。(中略)死者たちがあなたがたを救援しに来るなどとは、期待しないでいただきたい。彼らの沈黙は彼らのあとまで生きのびるであろう」(エリ=ヴィーゼル「死者の歌」より)
「これは一度起きた出来事であるから、また起こる可能性がある。これが私たちの言いたいことの核心である」(プリーモ=レーヴィ「溺れる者と救われる者」より)
「他人の歯や眼を傷つけながら、報復に反対し、寛容を主張する、そういう人間には絶対に近づくな」(魯迅「死」より)
「此の作品(「赤ひげ診療譚」山本周五郎著のこと)をストーリーとして読もうとしたのが間違いだったらしい。作品の雰囲気に融けこみ、登場人物達の生活感情に馴染むというきっかけが必要だったようだ。そうした点では山本氏の作品は、現代では異色だったのである」(井出雅人「原作とシナリオは対立するのか〜『赤ひげ』と『五辨の椿』について」より)
「ギロチンに斃(たお)れし人の魂か 庭に躑躅(ツツジ)の 赤きまなざし

人手足まで不自由なりとも死ぬといふ 只意志あらば 死は自由なり」
(金子文子)
「人間てェのは しょうがねェ バカどもだ…… しかし ……… なあ二人とも 人間の最悪ばかりを見るな…… 人間の美しさばかりを見るな…… おれが いえるのは これくらいのことだ………」(ブランコ『石の花』坂口尚著)

(了)

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