朱旭さんの最新作。「敦煌」以来、14年ぶりの日中合作映画(うたっているのは数多いが、正式に中国政府に許可を受けた映画は14年ぶり)だそうですが、少々力みすぎかな。つーか、まぁ、ネタばれしてますが読み進みください。
中小貿易会社の社長、市川は、商談の失敗した中国・北京のホテルで、漢方医・李仁と出会い、40年来の眼病を治してもらう。北京にまで借金の取り立てにやってきたヤクザの中村に、日中友好漢方旅行団を申し出る市川。李仁の腕前を当て込んで、起死回生の金儲けを企んだのだ。メンバーは団長の市川、その秘書でなかなか子どもができないのが悩みの小泉、実は密かにインポに悩む中村の他に、妻を亡くし末期癌と宣告された大山、漢方ダイエットを願うモデルの和田、母親に女として育てられ強制的に男に戻らされる菊池の計6人。迎える李仁の家は、息子の文重、その妻の玉蘭、孫娘の梅梅と、アメリカ人ながら李仁の弟子のノーマンの5人。万里の長城の麓に居を構える李仁の自宅で、日本人6人は漢方に触れ、癒されてゆくのだった。
いくら名漢方医とはいえ、こうなんでもすいすい治されたら、世界中の医者と製薬会社とエステティックサロンは全滅だなとたきがはは思いました。かの名医ブラックジャック先生もかなわない、まさに神業であります。
「ははーん、たきがは、また外したんだな」と思ったあなた、ぱんぱかぱーんの大正解。病気とか医者と患者ってすごーく繊細な問題だし、藁にもすがる思いで漢方に頼ろうとする人もいるかもしれないじゃないですか。
この映画、漢方万歳になってるんですよ。でも、物事には当然のことながら、メリットとデメリットというのがあるもので、特に最近のコマーシャルって肝心のデメリットを書かず、メリットばかり前面にうたったものが少なくなくないですか。
漢方は決して万能ではありませんよ。そんなこともちゃんと言ってくれにゃあ。最後まで中国万歳、漢方万歳に徹してる。観客はそこまで馬鹿ではないですぜ。あと、渡辺篤史氏に語りをやらせるのはなんかやらせみたいでちょっとやだったぞ。
(了)