マフマルバフ監督の原案だというので見に行きましたが、なかなかほわほわとして淡い恋物語。
ある日、空から箱が降ってきた。交代で海岸での密輸に目を光らせる兵士は、今日が投票日で、選挙監理委員が票を集めに島にやってくるので、その護衛につくことを知らされる。やってきたのはまだ学生のような若い女の子。若い兵士は「どうして男じゃないんだ」と文句を言いながら、民主主義の理想に燃える彼女のお供をすることになった。期限は今日の午後5時まで。島中を駆けめぐっての票集めの珍道中は...?
イランの監督は皆さん、素人さんを使うのが上手。主役の2人も、女の子は学生さんで、兵士もたまたま声を聞いて映画出演が決まったらしい。
最初は理想に燃える女の子も、最後は兵士と立場が逆転。でも、兵士とは違うところからやってきた彼女は、不器用な告白には気づかずに、兵士の心のなかに淡くて苦い思い出だけを残して去ってしまうのでした。
(了)