チェブラーシカ

チェブラーシカ

1969〜74年、ロシア
監督:ロマン=カチャーノフ
出演:チェブラーシカ、ゲーナ、シャパクリャク、他
原作:エドゥアルド=ウスペンスキー
見たところ:厚木シネマミロード

 ロシアの国民的アイドル、チェブラーシカの短編人形アニメーション。ロシアの「ドラえもん」みたいな存在で、生物学的には分類不可能なチェブラーシカ(ロシア語で「転び屋さん」という意味らしい)が主人公。吹き替え版で、子供向けに流しても似合いそうな、ほのぼのと心温まるアニメです。今回の上映では「こんにちはチェブラーシカ」、「ピオネールに入りたい」、「チェブラーシカと怪盗おばあさん」の3作が流れましたが、もっと見たいぞー。

ふわふわしたぬいぐるみみたいなチェブラーシカは、見た目は熊と猿のあいのこですが、大きな瞳は哀愁たっぷりで表情も豊か、もたもたした動きと、何でも一生懸命なところがすごく可愛い。

そのチェブラーシカのいちばんの友達が、動物園で働くワニのゲーナ(玖保キリ子さんの「バケツでごはん」みたい)です。たきがははゲーナがいちばん好き。ちょこんと頭に帽子をのせて、赤いジャケットに白いシャツがよくお似合いのおしゃれさん。アコーデオンで自分の誕生日の歌とか、水色の列車の歌とか引いてるところが、しみじみとおじさんぽかったのですが、「こんにちはチェブラーシカ」で、そういや「若いワニ」と言っていたような? 小さいチェブラーシカをかばって、すごく優しいワニで、「チェブラーシカと怪盗おばあさん」では紳士なところも発揮。いいぞ、ゲーナ! パンフがないんで思わずゲーナのTシャツ買っちゃったぞ。

「怪盗おばあさん」ことシャパクリャクばあさんは、ちょっと「意地悪ばあさん」にも似たばあさんで、「こんにちはチェブラーシカ」では、友達の家を造るチェブラーシカとゲーナにちょっかい出したり(でも、最後では「もうしません」)、「怪盗おばあさん」では、切符を盗んでしまったりと悪ふざけたっぷり。でも、ちょっと正義感の強いところが憎めないキャラクターで、なんかあると顔をおしろいではたくところとか、意外とおしゃれなのも可愛い。

ほかにも悪人が出てこないところがなかなかいいよね。警官も掘削機を持ち出したゲーナを怒らないで片づけてくれちゃうし。

ロシア民謡は、哀愁を帯びた旋律が多いのですが、そんな雰囲気がよく似合う、素敵なアニメーションでした。

(了)

日本の「チェブラーシカ公式サイト」を見つけまして、ちょっと事情がわかりました。作中でも流れるゲーナのアコーディオンがB.G.M.の、「チェブラーシカ」の雰囲気にひたれるサイトです。ゲーナのアコーディオンにはまったらGo!っす。

ゲーナはワニとしては若い50歳なので「若いワニ」も、おじさんなキャラクターもどっちも正解。万歳、ゲーナ

シャパクリャクおばあさんが正解で名前間違えてました。元スパイなんて設定もあるあたり、ロシアも開けたもんですねぇ。

で主人公のチェブラーシカはなんとアフリカ出身。オレンジの上で昼寝なんかしていたばかりにはるばるロシアまで来ることになったとか。残念なことにサントラはなく、今回上映された以外には10分の短編が1本しかないそうです。うぇ〜ん、もっと作ってくれよぉ。

噛めば噛むほど味の出るアニメーション、「チェブラーシカ」。ぜひご覧くだされ。

(了)

「チェブラーシカ」の製作年がわかりました。30年も前のアニメーションだったんすね。道理で新作がないはずだ。スタッフももういないんじゃないだろうか。しかし、見られないとなるとますます見たくなるのが人情というもの。たきがは、ただいまチェブラーシカにもメロメロ中。

(了)

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