せつない愛の物語。こんな恋がしてみたい。
たった一人で生きてきた高太郎とクロエはある日出会い、恋に落ちた。お互いがお互いを必要としている。二人は高太郎の友人の英助や日出美、アニやチビに祝福されて結婚する。新居を構えて一緒に暮らし始めた高太郎とクロエ。けれどその幸せは長く続かなかった。クロエの肺に蓮の蕾が宿ったのだ。手術で蕾を取り除くも、やがてもう1つの肺にも蕾が宿っていることがわかる。この奇妙な病に生花が効くことを知った高太郎はクロエの部屋をたくさんの花で埋めようとするが、やがてそれも効かなくなってしまい...。
登場人物がうまい配役なんす。不器用に生きる高太郎の永瀬さんとクロエのともさかさんが、この役にすごく合うんですよ。で周りもうまい配置。なかなかこういうのって難しいんす。どこか、「どうもこいつはミスマッチだな」とか思っちゃう。それがない。
塚本さんも、高太郎以上に不器用な生き方しかできない英助がはまってる。だんだん自己の破滅に突き進んじゃうところとか合う。それが悲しくもある。
でもやはり、これは話がいい。悲しくて、せつなくて、愛おしくて、可愛くて、優しい。
音楽もいいです。昔たきがはもけっこう好きだったぷりぷり(princess princess)の元キーボードさん。「映画に寄り添うようなピアノの調べ」うーん、うまい言い方す。映画音楽はこうありたい。声高に自己主張してはいけない。
大画面ではなく、ミニシアターで静かに見る。そういう見方がいいです。
(了)