フランスの国道7号線沿いにある施設の身体障害者たちの、愛と性をコメディタッチで綴った映画。「ナショナル7」という軽妙さが、実はすごく重たいテーマである、身体障害者の愛と性をさりげなく酌んでいるようで、このタイトルはええと思います。
しかしいつも思うんですけど、「障害者」って言い方、なんとかならんですかね。それではいけないような気がするんだけど、そういうものだと思いますか。
筋ジストロフィーのルネは、看護人に悪態をついて心証を悪くさせる問題患者。新任の看護人ジュリは彼の担当にまわされるが、本気でぶつかる彼女に、ルネは次第に心を開く。ついに思いあまって、ジュリにルネがうち明けたのはなんと「セックスがしたい。娼婦を見つけてきてくれ」ということだった。下手すると売春幇助罪で訴えられかねない事態に、所長を始め、看護人一同は及び腰。医師でさえ罪になることを恐れて証明書を渡さないことに業を煮やしたジュリは、単独で国道7号線沿いにトレーラーで開業している娼婦フロレルに協力を頼む。その肝っ玉にフロレルは承諾し、ルネも心の安定を取り戻した。しかし施設には別の問題が発生。アラブ人で障害者で同性愛者のラバが、キリスト教徒の洗礼を受けたいと言うのだ。彼が代父に選んだのは施設で働いていたローランだったが、代母には同じジョニー=アリディのファンのフロレルを希望。また、施設には車椅子のモヒカン・ライダー、ジャン・ルイがいたが、ルネの売春を知った彼は、自分も「女がほしい」と言い出して…。
肝っ玉看護人のジュリは監督のお姉さんの体験がモデルで、ルネのモデルとなった友人は10年以上前に亡くなられたそうです。その方が「同情されるよりも嫌われた方がいい」って言ってたということは、たきがは、背中を後押ししてもらった思いです。なにがどうなのかは、またそのうちに。
「バリアフリー」が叫ばれて、最近は猫も杓子も「バリアフリー」ですが、難しく考えることないんだよ、ちょっと違ってることを受け入れて、同じだって知ることが大事なんだよって、そんなことをさりげなく言ってる映画です。
(了)