イランで一番人気のマフマルバフ監督の100%面接映画。
タイトルの「こんちは、映画」からもわかる通り、映画誕生100年を記念して撮られた1本ですが、そこは巧者マフマルバフ監督、一筋縄ではいきません。しかし、映画に寄せるイランの人びとの情熱は、映画が斜陽化している日本から見れば羨ましいような状況ではないかと思いますけど、どうなんでしょうね。
監督も一筋縄ではいきませんが、イランの人たちもしたたかでして、何とかオーディションに受かろうとあの手この手で自己アピール。でもそこは監督のが一枚上手で、ああ言えばこう言うで、鋭い突っ込みがばんばん入り、カメラの前でさらけ出されるのは建前をひんむかれた本音の数々。「失格」と言ったって、それも本気ではない監督は、2枚どころか3、4枚は舌をお持ちのようで。
雇う者と雇われる者の本気のバトル。人間って醜い、でもおもしろい。マフマルバフ監督は癖になりますが、そう言ってる自分の醜さをふと振り返ってみたりして。
(了)