薬物死を遂げた耽美派女流作家重松時子を偲んで、今年も時子の命日の週、木曜日を挟んで3日間、時子の家に集まる5人の女たち。時子と同居していた編集者のえい子を除けば、4人とも物書きである。そこへ時子の遺作、「蝶の棲む家」の主人公と同名のフジシロチヒロと名乗る人物から「みんなの罪を忘れないで」というメッセージのついた花束が届く。それぞれが時子の死に疑問を抱いていたことから、4年間の鬱積をぶちまけ合うように5人は時子の死について語るが...。
教訓。腹っぺらかしの時に美味しそうな映画を見てはいけない。
舞台が時子の住んでいた家がほとんどなので、まるで密室ミステリーみたいな味わい。出てくる料理がうまそうでうまそうで、腹っぺらかしのたきがはは、かなりきつーい鑑賞となりました。こういう謎解き物は、種を明かせばなーんだ、的なところがありますが、家のセットといい、料理といい、小道具が大変洒落てて、大人の雰囲気たっぷり。同じ部屋から動かないけど、飽きさせないカメラ・ワークで、お洒落な映画であります。
しかし、たきがは気になった。万年筆フェチとは言え、あの著作量で時子は右肩が上がらないほどになってますが、物書きの端くれといたしましては、まるで他人事ではないよーな。ワープロが普及して負担は減ったのでしょうか? 今からバーベルで鍛えておかないといけないかも。
(了)