マフマルバフ映画家族特集。第二弾。「ブラックボード −背負う人−」の監督の第一作。
12歳になるまで家から一歩も出ることなく、閉じ込められて育ったマスメとザーラは双子の姉妹。近所の人が福祉事務所に訴えたことで二人は外に出られたが、両親に引き取られてまた元の生活に逆戻り。業を煮やした福祉事務所の担当職員は、少女たちを外に出し、逆に両親を家に閉じ込める。ほとんど単語しか話せない二人だったが他の少女たちと友だちになり、父親と母親も少し変えていく。
実話を元にした映画で、登場人物も本人たちが演じてるそうです。「りんご」は自由の象徴みたいなものかな、と思いました。中盤、りんごを買いに行くところや、ラスト、いちばん閉鎖的だった母親が出てきて、その周囲にりんごがぶらぶら。新しい友だちとりんごを分け合ったり、りんごでぶったりする。福祉事務所の職員が、なかなか豪快なおばさんで、イランという国をずいぶん知らないのだなぁと思ったものです。
(了)