実はねらってました。ぴあのアンケート。公開初日の23区の映画館がその必勝ポイント。でも、せっかくだから、もっと声を大にして「おもしろかったぞー!」と言える映画を見たかったなぁ。つまり、そういうことです。期待外れた。「シュリ」や「JSA」を遙かに上回る観客動員数(韓国ではR-18指定で820万人)は、即自分がおもしろい映画ではないのだね。
話も俳優も良かったと思うんすよ。でも、タイトルからしてこてこての泣きをねらった映画としては力不足。全然泣けんぞ、こらって感じ。ラストで後ろの席から鼻をすすりあげるのが聞こえたけど、なんで?って思ったほど。なんでかなぁ、なんでかなぁってずっと考えてて、これはたきがはなりの感想なんで、続きは見てから読むのがいいと思います。かなりねたばれしてるんで。
釜山で育った悪ガキ4人組。ジュンソクはやくざの息子で喧嘩にめっぽう強い。葬儀屋の息子ドンスも強者だ。ジュンホは商人の子で、物持ちの世渡り上手。サンテクは頭のいい、この映画の狂言廻し。中学は別になったけれど、高校で再会した4人はそれからも親交を温めあう。けれど、アメリカに留学してエリートコースを歩むサンテク、小市民ながらも着実な暮らしのジュンホらと違って、ジュンソクとドンスは転がり落ちるようにやくざの道へ。常にジュンソクに次いでNo.2の位置にあることに不満を覚えていたドンスはジュンソクと対立する親分の下についた。当然起こる抗争。そしてドンスの死。「俺たち、遠くに来すぎたよ」少年の日の言葉が痛切によみがえる。もう彼らに帰る道はないというのに。
感動できなかった最大の理由は、感情移入できるキャラクターがいなかったことです。チング、「親旧」と書いて、長く親しい友のことだそうですが、そう言うわりには、サンテクって傍観者じゃん。それも公平じゃなくて、圧倒的にジュンソク寄り。でもジュンソクにもそれほど親身になってるようには見えないんですけど。
それに、なんかやくざとふつうの人との友情を美化しすぎてないですか。ラスト、ジュンソクとドンスの立場が逆だったら、絶対にサンテクは面会に来ないだろうな、とか。結局、4人の男たちの友情がそれほど強いものに見えなかったのが、最大の敗因かも。
(了)