アフガニスタン難民ナシムは、妻の病気の治療代を稼ぐために1週間自転車に乗り続けているという見せ物に挑戦する。イランでは全国民が見たと言われるほど大ヒットした映画。主人公が「パンと植木鉢」の助監督(警官役を撮影していた人)だとは気づかなかったよ。アップになることがほとんどなかったし。
粗筋書くとえらい簡単ですな。うーん、でもこれだけ。で主人公の職業がサイクリストというわけ。ちなみに1週間というのは全部、まるまる自転車の上で過ごすのですぞ。降りたらだめなのよ。というわけで、主人公は見せ物が開かれている広場でひたすらくるくる自転車で回り続ける。ご飯もトイレも自転車の上です。
主人公には息子もいて、主に彼が父親に代わって母親の見舞いに行ったり、ご飯を食べさせたりしています。母親の病気はなんだかよくわからなくて、なにしろ「全身悪くないところがない」(医者談)というぐらいに重い(母親の演技がちょっと過剰なのはご愛敬)。で、ナシムも最初のうちは井戸掘りなどをしているのですが、賃金が安い上に息子にけがさせたらと案じる気持ちもあって見せ物に挑戦するわけです。
途中で場所を変えたり、自転車がパンクしたり、アクシデントも様々あります。でもいちばんのアクシデントはナシムが審査員の目を盗んで寝ちゃったことでしょう。友だちがナシムのふりして回ってるんですが、どうやって入れ替わったのかね。ナシムに成功しないでほしい連中も当然いるわけですから、あれやこれやと妨害工作も入りますが、彼は見せ物を成功させ、なおも自転車に乗り続けるのでした。
(了)