ロビンさん主演の映画を実家で何本かビデオに撮りまして、そのうちいちばん見たかった一本。でもいちばん見なくてよかった一本。
ある人気DJが、ベトナム戦争中のベトナムに行き、反戦的な番組で厭戦ムードの兵士たちの人気を得る。一方、南ベトナム人と知り合ったDJは、実は彼が北ベトナムのスパイだったと知り…。
戦争を題材にした映画っていくつかのパターンがあると思うんですよ。下記はたきがはの独断と偏見なのでそこらで吹聴しないように。
で、このうち、1.はその国でははやるかもしれませんが、世界にゃ通用しませんわな。2.もさすがに最近は減ったと思います(第二次大戦中の日本軍やナチスがお馬鹿・凶悪に描かれるというあれですね)。3.は無問題。こういう映画こそもっと見てほしい。で、一見4.はよさげですが、実はいちばんの曲者。「グッドモーニングベトナム」はこの4.だと思うわけです。
途中までは良かったんですよ。でもラストで思い切りこけた。ベトナム戦争ってどう逆立ちこいてもベトナムの人からすればアメリカの侵略戦争でしょ。でもアメリカ人てその意識がまったくないのかな。ロビンさん演ずるDJに「俺たちは助けに来てやってんだぞ」と叫ばせるのは何でですか? 知り合ったベトナム人が実は北ベトナムのスパイで、でも何でスパイしてるのか考えたことないですね? アメリカが戦争押しつけてるから彼らは戦ってるんですよ。「共産主義から助けに来た」なんて大きなお世話ってもんです。そんなものはベトナムの人たちが選ぶことであって、アメリカが口を出すことじゃないし、第二次大戦中に使われた爆弾よりも多い量の爆弾をベトナムにばらまいたアメリカが何偉そうに言うとですか。
「宇宙戦艦ヤマト」ってあったでしょ。あれは元々テレビアニメでたきがは、子どものころに「地球滅亡まであと○○日」ってどきどきしながら見てたです。デスラー総統好きです。でも、あれもよく考えてみると怖い話ですね。「地球のために」って美名の上で何人死んだかな。「地球のために」を「お国のために」って言い換えるとどこかで聞いたフレーズで、何人殺しましたかね。何人殺されましたかね。さすがに最近は「戦争万歳」はなかなかない。何年か前に「プライド」という映画かかりましたが、あそこまで率直に戦争犯罪者を英雄よろしく祭り上げる映画は滅多にない。代わりに4.のタイプの映画増えてませんか? くわばらくわばら。
(了)