ワンス&フォーエバー

ワンス&フォーエバー

監督:
出演:メル=ギブソン
見たところ:ヴァージンシネマズ海老名

 邦題最低。これだったら原題の「We are soldiers」のままのがよほどいい。ただ、話としても、「なぜいまさらベトナム戦争? それもアメリカ兵賛歌から抜けきれないベトナム戦争を題材にした映画?」なので、お似合いと言いましょうか。

教訓。いくら無料でも「タダだからいっか」で映画を見てはいけない。時間をドブに捨てるようなもんだ、たきがは。

ただですね、脚本のランダル=ウォレスと主演のメル=ギブソンのコンビってかつて「ブレイブハート」で感動させられたんですよ。実在のスコットランドの英雄ウィリアム=ウォレスを描いた映画で、戦闘シーンのダイナミックさもさることながら、シナリオもすごく好きだったんす。サントラも好きだったし、いい映画だったの。だから、予告見てた時からなんとなーくいやな予感はあったものの、つい行っちゃった。やめれ。

ベトナム戦争というと、どう言い訳しても、これはアメリカが負けた初の戦争であり、アメリカはどんな大義名分を押っ立てても侵略者でしかないと思うんですね。だからどんなに兵士の美談とか悲劇とか描いても、「結局、あんたら侵略者じゃん」て意識があるので決して感動しない。これはもうジョン=ウェインの「グリーンベレー」以来、「プラトーン」でも「地獄の黙示録」でも「グッドモーニング ベトナム」でも、決して動かないんす。どんなに兵士の死を美談に描いても、これでもかこれでもかと戦場の悲惨さを描いても、「じゃああんたら、ベトナムで何をばらまいたか、それが今もどんな影響をもたらしてるのか、どれだけの人が苦しんでるのか、そんなことわかってんの」とか偉そうに思っちゃうのよ。

たださ、ちょっと期待したわけ。オノ=ヨーコさんが推薦文書いてるんだよね。わし、ビートルズってはっきり言って好きじゃないし、ジョン=レノンにもちっとも感動も共感もしないんだけど、「イマジン」はいい歌だと思うんだよ。人類が生きている限り、決してそんなことにはならないだろうけど、でも「イマジン」ていい歌だし、なったらいいと思うんだよ。

ぼけたか、オノ=ヨーコ。

これは決して反戦映画ではない。ベトナム戦争をいつまでもベトナムの立場から振り返ることのできない、アメリカという超大国の病理を映し出した映画なのだ。決してベトナム戦争の反省ができないアメリカという国を映し出した映画なのだ。

たぶん、こういうことが言いたくてこの映画見たのかもしれない。二度とやりたくないけど。

(了)

このページ、内容もそうなんですが、Macintosh版のNetscape Communicator 4.7で見るとレイアウトがたがたですごく汚かったのです。見苦しくてすみませんでした。

[ もっと映画日誌を読む | 映画日誌のトップに戻る | 五十音順一覧 | 映画のトップに戻る ]
[ トップページ | 小 説 | 小説以外 | 掲示板入り口 | メールフォーム ]