「山の郵便配達」でお父さん役をやられたトン=ルージュンさんが出ているというので見に行きました。主役じゃなかったんですが、印象的な役所で、「山の郵便配達」と違った格好良さがあります。凛とした方です。惚れます。
ハンセン病患者の作り酒屋のもとに嫁いだ「私」の祖母。しかし、習慣によって実家に帰る時、祖母の駕篭を担いだ祖父と野生のコーリャン畑で結ばれてしまい、夫も何者かに殺されてしまった。作り酒屋を継いだ祖母を支えるのは亡き夫に仕えていた劉漢(ルオハン)だった。だが、押しかけ夫となった祖父の悪ふざけが名酒を生み出し、劉漢は酒屋を出ていってしまう。それから9年、「私」の父も生まれ、酒屋は繁盛していた。劉漢は一瞬だけ酒屋のようすを見に寄るが立ち去っていった。それから間もなくして日本軍がやってきた。コーリャン畑はつぶされ、共産党員だったという劉漢は捕らわれ、皮を剥がれて殺されてしまう。祖母は復讐を命じるが、日本軍襲撃で生き残ったのは祖父と父だけだった。
怒濤の展開。紅いコーリャンというのはコーリャン酒のことで、真っ赤。火をつければ燃えちゃうぐらいアルコール度も高いですが、全体がそんな色。祖母の婚礼衣装、角隠し、夕日、酒、物も紅いし、激しい。
10年以上も前の映画なのでフィルムがノイズ入っていたり、日本軍がどー考えても変だったりするのですが(台詞廻しが変なのであって、皮を剥ぐという残虐行為が変ではないです。それぐらいのことはやってるそうですし)、真っ赤なラストシーンまで目が離せない映画です。
主演のコン=リーさんはこれがデビュー作。「初恋のきた道」のチャン=イーモウさんもこれが監督第1作目です。
(了)