Stage Eleven「誓いの剣」3

Stage Eleven「誓いの剣」

グランディーナは頷くと、松明を片手にルツェルンの町に入っていった。サラディンが町の入り口で合流し、ランスロットとカノープスも追いかける。
「グランディーナ! 何をやらかしたんだか、説明してもらおうか。おまえ、魔法はまったく使えないはずじゃなかったのか?」
「その話なら皆も聞きたかろうから後で話す。
サラディン、見つかったか?」
「こちらのようだ」
2人はとある家屋に入っていった。遺体の様子も、あの術を使う前と変わりがない。生身のグランディーナが無事なのだから、それも当然かもしれないが、ランスロットにもカノープスにも釈然としない。
「見つけたぞ」
サラディンの言葉に彼女が頷く。彼が袂(たもと)に落としたのは、黒っぽい石を嵌め込んだ指輪だ。
「おいおい、よりによって解放軍のリーダーが火事場泥棒を率先するのかよ?」
「残念だが、これは初めからわたしに見つけられるためにここに置かれていた物だ。だが、まだ何かあるようだな」
カノープスが何か言おうとするのをグランディーナが制する。その表情は驚くほど真剣で、この2人だけが今回のルツェルンでの戦いに、何か特別な意味を見出しているようにもランスロットには思われる。
サラディンは表に出、しばし頭(こうべ)を巡らした。
「どうした、サラディン? 1つだけではなかったのか?」
「いや、こちらだ」
乗りかかった船でランスロットもカノープスも立ち去るわけにいかず、2人の後についていく。
サラディンは南瓜畑に入っていった。まだ収穫の時期には早いらしく、南瓜は青く小振りだ。
杖で畑をほじくり返していたサラディンが、小さな石を投げてよこした。彼は次に茄子畑、馬鈴薯畑、最後に玉蜀黍畑に行き、似たような石を1つずつ拾った。表面には四神の象徴が刻まれているだけだ。
「捜し物は終わったのか?」
サラディンは頷いた。
「じゃあ、説明してもらおうじゃねぇか、こんなことをする理由を。それにあんた、さっき『残念だ』なんて言ったな。どういう意味だ?」
「この指輪も石も、わたしが偶然、見つけた物ではない。わたしが探せば見つかるように仕組まれていた。それが誰によるのかは言うまでもあるまい?」
カノープスの表情が変わり、ランスロットも息を呑む。しかしサラディンは淡々と話し続けた。
「思えば、ルガノ湖で察するべきだったのだ。なぜ、誰にも開けられない塔があんな風に地中から引っ張り出され、傷つけられたのか、意図に気づいていれば良かったのだ」
「あれがラシュディのこれ見よがしな行為だとわかっていても、ルツェルンでの住民殺害は止めようがなかった。私たちは奴に遅れているのだ。あなただけのせいじゃない、サラディン」
「どういう意味だ、そりゃあ?」
「ルツェルンの人びとが殺され、何人もが悪霊として蘇ったのは仕組まれたものだということだ。ポグロムの森もそうだが、人はこんなに簡単に悪霊にはならない。時間だけではなく多くの要因がある。時間、人的なものがそれだ。だがここの人たちは最初から悪霊にするために殺されたのだ」
「悪霊にして俺たちに襲いかからせるためか?」
「違う。ラシュディ殿はわたしたちの力を試したのだ。悪霊には通常の武器が効かないことは知っていよう? いまの解放軍で有効なのは聖剣ブリュンヒルドのみ、それだけでこの事態にどう対処するのか、ということが問われたのだ」
「私の持っていた紙片をラシュディが知っていたとは思えないが、サラディンの描いた魔法陣はそれを増幅しただけだ」
「待ってくれ。悪霊に対してなら司祭たちが有効な手を打てたのじゃないか?」
「そうだ。だがサラディンが間に合うかどうかわからなかったし、彼女たちの命を危険にさらすわけにもいかない。悪霊がどれだけ出てくるか、夜にならなければわからないのだからな。私ならば多少の攻撃にも持ち堪えられる。どうせ、あの紙片は人に貰った物だ。ここで使ってもいいだろう」
「そんなことのために無関係の人間が殺されたっていうのか?」
「そうだ」
「畜生!」
カノープスは思わず地面に殴りかかった。
「このことは皆に言うな。
それに、まだ続きがあるのだろう?」
「この指輪と石があるからな。これは雷鳴の指輪で、石の中に雷の精を封じてある」
「雷の精?」
言われて手に取り、耳に近づけると、石の中から確かに雷鳴が鳴り響いた。それはいつまでも止むことがなく、こんな石ころに封じられた雷の精の怒りの声にも聞こえた。
「俺にも聞かせてくれ」
気を取り直したカノープスも耳を澄ます。それは不思議な響きであった。
「この指輪、どうしようっていうんだ? あるいはどうしろって?」
「我々は近いうちにガレス皇子と戦うことになる。おそらく、ガレス皇子は雷を苦手とするのだろう。これを有効に使わせてもらおう」
「おいおい、ラシュディとガレス皇子は味方同士だぜ? いくらラシュディがあんたの師匠だからって、そう上手くいくのかよ?」
「だが、アヴァロン島でガレス皇子と戦った時に、ウォーレンが雷の魔法を使っていた。全身、鎧装束だから、有効なのじゃないか?」
「別にこの指輪があるからといって、我々がガレス皇子相手に特別有利というわけではない。彼のイービルデッドは強力だし、こちらがブリュンヒルドを所持していることも知っていよう。こんな指輪で戦局が覆るほど、たやすい戦いではない」
「そろそろ戻ろう。皆も休む前にルツェルンがどうなったのか知っておきたいはずだ」
「どこまで話すつもりなんだ?」
「ルツェルンの人びとが帝国に殺されたと言うだけで十分だろう。それ以上は知らなくても戦うことはできるし、ラシュディの話など持ち出して、いらぬ疑いをサラディンに向けられるのも厄介だ」
彼女の言葉どおり、野営地に戻ると皆が待ちかまえていた。
「明日の予定は?」
「シャングリラ城の手前まで進めるだろう。インターラーケンの先で島が細くなっているそうだ。待ち伏せがあるとしたら、そこだろうな」
「承知しました」
「休む前にルツェルンのことを話しておこう」
応対していたグレッグはもとより、ほとんどの者が立ち去ろうとした足を止める。だがグランディーナは、見張りに立つ者は逆に去らせた。
彼女の警戒はいつものことだが、連戦続きで疲れの抜けない者も多く、今夜ぐらい休みたいのが本音のようだ。
「ルツェルンの町は帝国軍の襲撃で壊滅した」
単刀直入な言葉に多くの者が肩を落としたが、グランディーナは言葉を続ける。
「手段はわからないし、帝国がなぜそんなことをしたのかも不明だ。いろいろと理由は考えられよう。他の島も含めた天空の島への牽制、解放軍への見せしめ。だが、私たちのすべきことは、このシャングリラから帝国軍を追い出し、平和な世界を取り戻すことだ。あれこれ迷うより、いまはゆっくり身体を休めろ」
「亡くなった方たちの埋葬はしないのですか?」
「ディアスポラとは規模が違う。帝国の襲撃に備えれば、さらに人手も減ってしまうし、あなたたちも疲れている。ルツェルンのことは次のインターラーケンで頼む」
「先ほど、あなたの使った技についても話してもらえないか?」
「あれはゼテギネアに戻る前に、アイギークという人からもらった魔力を込めた紙片だ。増幅させて使ったのはサラディンの案だ」
「サラディン殿が描かれたのは魔法陣とお見受けしたが、これほどの大きさのものをあれだけの短時間で描けるものなのですか?」
「先ほどは時間がなかったのでわたしの力を込めた。だから簡単なもので済んだのだ」
「そのやり方について、お伺いしても?」
「いますぐというわけにはいかないが、いずれ、そなたの時間がある時にでも話そう」
「ぜひお願いします」
グレッグはまるで少年のように頬を紅潮させて、サラディンに頭を下げた。
その夜、ランスロットがブリュンヒルドの手入れをしていると、アイーシャが天幕を訪れ、グランディーナとサラディンが呼んでいると伝えた。
「ありがとう」
「何だ、こんな時間に?」
天幕の外には3頭のグリフォンとカノープスが休んでいる。
「グランディーナに呼ばれたんだ。ガレス皇子を倒す策をサラディン殿が思いついたらしい」
「だからって、こんな時間に話さなくたって良さそうなもんだ。明日はシャングリラ城には行かないはずだろうに。おまえもおまえだ、何で起きてたんだよ」
「ブリュンヒルドを使ったままにはしておけないからね。君は来られないか」
「ああ、俺までいなくなったら、エレボスが大騒ぎだ。せいぜい頑張れよ」
「どうしてエレボスが騒ぐんですか?」
「今日の昼間に、ユーリアがワイバーンを拾っただろ?」
「はい」
「グリフォンの世話は本当はあいつの担当なんだが、ワイバーンがまだ弱ってるっていうんで、手が離せないと言いやがる。ワイバーンとグリフォンを同じところに置いておくわけにもいかねぇ。それでこいつがへそ曲げちまって、カリナに任せられないってわけさ」
「大変なんですね」
「まったく、こんなでかいなりしてるくせに、いつまで幼獣のつもりでいるんだか。かと言って、ワイバーンの面倒を俺が診るわけにもいかないしな」
そう言いながらカノープスの目が笑っているのは、彼が心から魔獣たちを可愛がっているからだろう。
「おまえもさっさと寝たらいい。ワイバーンの臭いに我慢できるなら、ユーリアのところとかな」
「はい、ありがとうございます」
彼女の居場所は聞くまでもなかった。アイーシャは低い声で子守歌を唄っているユーリアをすぐに見つけられたからだ。
保護された時は極度の興奮状態にあったワイバーンが、いまはおとなしく休んでいる。確かにエレボスが不機嫌になるのも無理はない。
「ユーリアさん」
「どうしたの、アイーシャ? とっくに休んだものだと思っていたのに」
「グランディーナとサラディンさまがまだ起きていて、ガレス皇子を攻める話を始めたものですから。ランスロットさまもいらっしゃるのに、私がいては邪魔になります」
「しょうがない子ね。あなた、彼女と一緒の天幕では休もうにも休めないでしょう? サラディンさまに交替してもらって、治療部隊の人たちと一緒の方がいいんじゃないかしら?」
「大丈夫です。今晩みたいなことは初めてですし。それに、いつも側にいられませんから、夜ぐらい一緒にいないと、彼女が無茶してるんじゃないかって不安になります」
「そう? サラディンさまって、冷静なようでいて、意外と話に夢中になると周りが見えなくなる方だったのね。グランディーナは自分のことだけは棚上げにするし、ランスロットは立場上、断れないし、兄さんは動けない。放っておくのがいちばんね?」
「はい。そう思ったので、私は何も言わないことにしました」
「あらあら」
ユーリアにつられてアイーシャも笑い出す。声を上げて笑ったのはシャングリラに来て初めてだ。グランディーナの側にいると気が抜けないし、デネブは今回、留守番だった。
すると、ワイバーンが鼻を鳴らした。急にユーリアの子守歌が聞こえなくなったので心細くなったようだ。
「大丈夫よ、ミニュアス。私はここにいるわ。あなたを独りぼっちになんかしない。一緒にいるから、お休みなさい」
ワイバーンの頭を抱きながら、ユーリアは歌うようにあやしつけ、傷つけられた翼をそっとなでる。
「名前をつけたってことは、ミニュアスは解放軍に入るんですか?」
「いいえ、ゼテギネアに戻ってから、この子は逃がすわ。戦いは嫌がっているし、この子の居場所って案外ないのよ。ギルバルドさまのワイバーンは夫婦同士だから、この子が入っても仲良くしてくれないの」
「夫婦ですか?」
「ワイバーンはね、グリフォンと違って一夫一婦なの。伴侶を見つけたら生涯、換えないし、先に1匹が死んでも新しい伴侶は迎えないのよ」
「へぇ。初めて聞きました」
「グリフォンは群れを作って、強力なリーダーが率いるわ。雌はリーダーに優先権があるけど、若い雄も頑張れば機会はあるの。エレボスも野生にいたら、きっとリーダーになれてたわね」
「魔獣といっても全然、違うんですね、ワイバーンとグリフォンって」
「そうね。私、次に生まれてくるなら、ワイバーンになりたいわ」
彼女の瞳に映る人物をアイーシャは知っている。旧ゼノビア王国の魔獣軍団長ギルバルド=オブライエンだ。彼は今回の遠征ではダルムード砂漠のカオスゲート近辺に待機して、アラムートの城塞との連絡係兼、諸々の雑務をこなしている。
「もう休みましょう。すっかり遅くなってしまったから。これでは私もサラディンさまのこと、悪く言えないわね」
「大丈夫です。私、アヴァロン島育ちだから、早起きと夜更かしは慣れているんですよ」
「でも休みましょう。明日、赤い目をしているわけにはいかないもの」
「はい」
ユーリアが手元の角灯(らんたん)を吹き消すと、辺りは暗くなった。満天の星がいまにも空からこぼれ落ちそうで、アイーシャは歓声を上げる。
「どうしたの?」
「見てください、凄い星空です。それなのに星座が見慣れたものばかりって不思議じゃないですか?」
「そうね」
耳を澄ませば聞き覚えのある虫の音も聞こえる。天空の島も、ゼテギネアの一部と言ってもいいのかもしれなかった。
翌金竜の月20日、解放軍はインターラーケンに向けて発った。右手にヴィンタートゥール山地を眺めながらだったが、道は平地と林を縫うように進み、かなり楽な行程になった。
グランディーナは、斥候を除けば先頭を歩くことが多い。今日はサラディン、ランスロットにチェスターやグレッグまで加わって大所帯で歩いている。昨晩の話の続きだろうし、リーダーたちの話に一般兵が加わったり、声の聞こえるところにいることはないので、彼女たちだけ、やたらに先行していた。
もちろん、その前には影とエレボスに乗ったカノープスが先行中だ。カリナがピタネに乗って最後尾からやってきて、ピテュスとミニュアスがユーリアと一緒にいる。
アイーシャはユーリアと一緒だったが、特に何事もなく、昼ごろには解放軍はインターラーケンの町にさしかかっていた。
町の規模も造りもいままでと大差ない。ただ、やたらに人が多く、解放軍に向けられる眼差しには強い不信感が表れていた。
グランディーナの合図で全軍が停止し、カノープスやカリナも合流した。
「何か、やな感じだな」
「ルツェルンについて、帝国が嘘の情報でも流したんじゃないのか?」
「それでも行くつもりか?」
「もちろんだ。私たちは帝国と違う。無辜(むこ)の住民を攻撃することはないし、最初にすべきことは話し合いだ。ルツェルンでの虐殺が私たちの仕業だと喧伝されているのなら、その誤解も解いておかないとな」
「口で言うほど簡単なこととも思えねぇが、誰が行くんだ?」
「大勢で行ってもしょうがない。サラディンとランスロットとで行ってくる」
「お気をつけて」
しかしエルシリアと異なり、インターラーケンでは町に入るのからして一苦労だった。やはりルツェルンの虐殺は解放軍の仕業と喧伝されており、その釈明さえなかなか受け入れられなかったからだ。
だがグランディーナは辛抱強く言葉を選んで話しかけ、とうとう町長を引っ張り出すことに成功した。
「いったい何の用だというのだ?」
それでもまだ町の入り口には大勢の人が立っている。柵もないこの町の人びとは、グランディーナたちが町に入るのを阻止するために文字どおり身体を張っていた。そして彼女に限って、人の楯をかき分けていくはずもなかった。
「ルツェルンのことをあなたたちに頼まないでいくわけにもいかないのでな」
「何を言う。あれはおぬしたちの仕業ではないか」
「そうではないと言っている。もしも私たちの仕業ならば、なぜインターラーケンは無事なのだ?」
「油断させておいて攻め込もうという腹であろう。おぬしたち地上の人間は卑怯な手ばかり使う」
「卑怯な手を使っていれば、インターラーケンなどいまごろ残っていない。柵も外壁もなければ、あなたたちは武器も持っていない。襲う気があれば私たちが攻め込むだけでこの町は落とせる」
「だからと言って、おぬしたちがルツェルンの人びとを殺したわけではない証拠にはならん!」
恐怖に引きつって、町長の声が裏返った。
「解放軍などと名乗っていても、おぬしたちも地上の人間だ。平気で人を殺すのだろう。しおらしい顔でルツェルンのことなど頼んで何を企んでいるのか知らないが、早くシャングリラからいなくなってくれ!」
「そうだな。武器を棄てたあなたたちには私たちは皆、同じように見えるのだろう。これ以上、話しても互いに得られるものもなさそうだ。ただルツェルンの町はそのままになっている。できたら早く行って、遺体を埋葬してやってくれ。あなたたちにはそれだけ頼んでおきたかった。
戻るぞ」
「良かったのか、あれで?」
サラディンが口を開いたのは、町から十分、離れてからだった。
「時間をかけすぎた。それにここはゼテギネアであってゼテギネアではない。ルツェルンの虐殺を解放軍の仕業にされても、地上での戦いに差し支えることはあるまい」
「わたしが良かったのかと言ったのは、彼らに『地上の人間は平気で人を殺す』などと言わせておいて良かったのか、ということだ」
「私に関してそれを否定するつもりはない。ただ、あなたたちのためには取り消させるべきだったな、すまない」
「おまえが謝ることはない」
野営地に戻ると、グランディーナはランスロットの予想したとおり、解放軍がルツェルン虐殺の犯人に仕立てられた話を手短にした。皆はあらぬ疑いに憤懣(ふんまん)やるかたなかったが、彼女はガレス皇子を討つべく、進軍を命じたのだった。
「サラディン! あなたたちだけ遅れているぞ」
「うむ、すまない」
グランディーナが注意したのも無理はなかった。彼を中心にグレッグを初めとした魔法使いたちが、ちょっとした魔法談義に花を咲かせたばかりか、進軍まで止まってしまったからだ。
「続きはまた今夜にでもいたそう。落ち着いて話したいからな」
「よろしくお願いします、サラディン殿」
グレッグが言い、ほかの者も頭を下げる。皆は適当に散ったが、グランディーナが来なければ、そのままサラディンと話をしていたそうな、単に彼が話すのを聞いているだけでも満足してそうな顔ばかりだった。
「どうしたんだ、いきなり?」
「うむ。インターラーケンではつまらぬ思いをさせられたから、わたしがグレッグを相手に昨日の話題を振ったのだ。そうしたら、いつの間にか皆がああして集まってきてな」
「あなたならば、グレッグ以上に皆を鍛えられるだろう。だが場所を選んでくれ」
サラディンが頷くと、彼女はまた先頭の方に戻っていった。
解放軍が止まったのはそれから間もなくのことだ。グランディーナが昨晩、皆に注意を促した島の細くなっているところにたどり着いたのである。ここを越えれば、残るはガレス皇子の待つシャングリラ城のみであった。
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