リベラ・メ

リベラ・メ

2000年、韓国
監督:ヤン=スノ
出演:サンウ(チェ=ミンス)、ヒス(チャ=スンウォン)、ミンスン(キム=キュリ)ほか
音楽:イ=ドンジュン
見たところ:ワーナーマイカル茅ヶ崎

 今年のNo.1映画になるかも。見る前までは「蝶の舌」だと思ってたんですけど、こっちに軍配あげちゃおうかなぁ。

最近は韓国映画を見る機会が多いので、けっこう脇役陣も知った顔が並んでおります。そういうのを見つけるのはとても楽しい。映画好きの醍醐味じゃないですか。この人、「なんとか」って映画にも出てたよねぇ、って。で、知ってる俳優さんがいい役をやってるとうれしくなる。

天才的に炎を操る放火犯と心に傷を持つ敏腕消防士の息詰まる闘い、筋を書くとこうです。タイトルの「Libera ME」とはレクイエムの一節で「我を救いたまえ」ってことです。

主演のチェ=ミンス氏は最初に「ユリョン」で見ました。美形じゃないけど男っぽさがかっこいい。色気のある男っぽさ。なかなかいないのよ。「ユリョン」の冷徹な副艦長は完全に主役を喰っておりました。今回もかっこいいです。

でも、なんといっても「リベラ・メ」の主役は放火犯のヒスでしょう。キャラクターが際立ってます。「韓国映画史上もっとも魅力的な悪役」だそうな。確かに。彼がガソリンスタンドに放火してそれを眺めている。まるで指揮者のように恍惚とした表情で両手を上げると大爆発が起きた。中盤屈指の名シーンであります。というか、爆発シーンってもはや慣れてるところがあるんですよ。そういう映画ばかり見てんなよ。でも、この映画では爆発が起きると本気でどきどきしました。「迫力が違う」なんて陳腐な言い方です。爆発の見せ方がうまいな、と思います。この手の分野では日本映画は勝てないんじゃないか、とまで思いました。アクション撮ってないしね。

音楽も好きだな、こういう聞かせ方はいいなと思っていたら、「シュリ」と同じ人でした。絶対に買いやね。音楽の好きになる映画はおおむねはまる傾向があるんですよ。イ・ドンジュン、覚えておいてね。

で、緊張感が心地よく持続していく。最初から最後まで引っ張る引っ張る。ラストシーンまでアップダウンも混ぜて突っ走る。この映画、ハリウッドの「バックドラフト」を追い越せという気持ちで撮ったそうです。比較のために見てみたいけど、テレビと映画館じゃ勝負にならんかもね。

ヒスがなぜ放火犯となったのか、サンウの持つ心の傷とは。おいしいところはばらさないでおきましょう。だってもったいないもん。自分の目で見た方がいい。どうして話題にならんのか不思議だぞ。見ないと後悔するぞ。

(了)

2003年1月現在、いまだにサントラが韓国でも発売されておりません。サントラないからDVD買えとゆうのかー!! それも悪くないと思ってる自分がちょっと怖い。

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