「シュリ」を見てから、熱心な韓国映画の追っかけになりました。で、「シュリ」より公開が遅くて見に行ったのが「クワイエット・ファミリー」というコメディ。「シュリ」で一押し北朝鮮第八特殊部隊隊長パク=ムヨンを演じたチェ=ミンスク氏と、主人公の相棒を演じたソン=ガンホ氏がそろって出演してるというんですから見に行くしかないでしょう。うひひ。
ギャグは元々「8時だよ! 全員集合」で育った世代であります(歳がばれるなあ)。「オレたちひょうきん族」以降の笑いってどうもなじめなくってほとんど見ないの。あと好きだったのは「しらけ鳥」が出てたの。「クワイエット・ファミリー」の笑いはその「ドリフ」に通じるところがありました。監督も同世代。「クワイエット・ファミリー」は、会社をリストラされたお父さんが、家族を連れて山奥でペンション始めたけれど、泊まりに来るのは変な奴ばかりで死体も満載のブラック・コメディ。まだギャグがこなれていないんだけど、その次回作となったのがこの「反則王」です。
主役のソン=ガンホ氏は、「シュリ」とか「JSA」で誠実な役をこなされた俳優さんなのですが、「クワイエット・ファミリー」で暴力盗癖覗き癖のある長男をやった時は、もう間違いなくギャグの人で、興奮すると声の裏返るところとか、口まで変貌しちゃうところ(歳ちゃんみたいな口とでも言いましょうか。「マカロニほうれん荘」知ってる?)とか、こっそりと目をつけてたわけ。共演のチェ=ミンスク氏も「シュリ」のかっこよさはどこへやら、某ファンサイトで「熊みたいに歩く」と評された(わしもそう思う)、変な叔父さんだったし、家族もみんな変。
「反則王」は上司には毎日のようにヘッドロックをかけられて成績も最低な駄目サラリーマン、イム=デホが、プロレスに入門して、かつて自分もファンだった悪役「ウルトラ・タイガーマスク」ばりの悪役となったけれど、という話。
小さい「いるいる、こんなドジな奴」なギャグを挟みつつ、笑わせてくれる。バーベルのシーン、プロレス道場(と言うのか?)の前での携帯電話、せっかく父親に見直してもらえるチャンスだったのにマスクつけたまんまで逆に怒られたりとか、楽しいシーンが満載。
それに加えておいしいなと思ったのが、「カル」で人情味あふれる刑事役を好演したチャン=ハンソン氏(プロレス道場の主人だが実は...)や、「シュリ」の北朝鮮特殊部隊兵の一人を演じたキム=スロ氏(ラストでデホと闘う正統派のレスラー)とか、知った顔が出てて、「リベラ・メ」でもまた知った顔が出てくるってところ。映画好きの楽しみよね。だから映画はやめられませんわ。
(了)