残光

残光

あらゆるものが流転し…
孤高に喘ぎ、寂しさに震える
幾多の心が…
今、それらは束ねられ
一つの奔流になり
大きなうねりとなって
闇を打ち払うべく
大切な何かを、手に入れるべく
皇都キングクリムゾンへと集い
そして…

皇都 正門

 
ルシアン
ついに来たな、クリムゾン城に。
タイタス
いや、しかし
ものものしい警備だな。
こいつあ、やっかいだぜ。
デュレン
さすがに皇都の中心だからな。
ヘルダーの一件もある。
ガーディアンの数が
多いのも当然だ。
しかも門を守っているは、
ヴラドに組する剣帝…
ブノワだ。
スモール
うわ!
後ろからも援軍が来るよ。
ど〜すんのよ。
挟み撃ちになっちゃうよ!
オレンジ
仕方ない。
二手に分かれて行動するしか…
いや、待てよ。
このスレッジの振動音……
剣帝のスレッジの音だぜ!
レオノーラとゲオルグだ。
う〜ん、美しいぜ。
このマシンハーモニー。
スモール
あ〜あ、またぁ。
ぜったい、ぜーったい
ただの機械フェチだよ。
機械の言葉がわかるなんて
信じらんない!
オレンジ
うるせーっての。
レオノーラ
間にあったみたいね、デュレン。
ここからは
私たちも一緒に戦うわ。
後方の支援は私と
ゲオルグの部隊だけで十分よ。
やっかいな連中は
あらかた片づいたわ。
ゲオルグ
そのとおり……
王の軍隊も再編成され、
こちらに向かっている。
残っているのは
眼前の敵ブノワ!
そしてワルター、ヴラドだけだ!
タイタス
なあ、
あんたたち、同じ剣帝なんだろ。
何とか言って通してもらえない
のかい。
レオノーラ
だめよ。
ブノワは私たちの言う事には
耳を貸さないわ。
彼は軍人の見本のような男。
ヴラドに仕えることに何の疑問も
持ってはいないはずよ。
つまり、彼にとって
私たちは体制に対する
叛逆者ってわけよ。
ルシアン
剣帝ブノワ……
俺が本当に憎まなければ
ならなかったのはブノワのような
人間なのかもしれない。
デュレン
能書きは後だ。
みんな戦闘体制をとれ!

Battle 28 城門2(皇都)

ブノワ
く、何故じゃ、何故なのじゃ。
何故、お前達は体制に
逆らおうとするのじゃ。
世の流れは確かにヴラドに
傾きつつあったのに……
お前達さえいなければ
全てはうまくいくはずだったのに
……
デュレン
哀れな最期だな、
ブノワ。
自らの意志を持たぬお前に、
剣帝の資格などなかったのだ。
ルシアン
これも因果応報ってやつか……
よし、今のうちに宮殿の中に
突入しよう。

皇都 宮殿内部

 
タイタス
おや、どうやら、ここには
誰もいないみたいだぜ。
ルシアン
きっと警備の死角に
なっているのさ。
レオノーラ
ルシアン、そういえばあの旅芸人の
女の子には見覚えがあるわ。
ケミカルブラザーズの歌姫として
ちょっとした有名人よね。
でも、そんな女の子がどうして
あなたと一緒にここまで
ついて来ているの?
ルシアン
いや、それは……
レオノーラ
ははーん、そういう事ね。
ルシアン
ち、違うよ。
レオノーラ
何が違うのよ。
自分のために命を懸けてくれる
女の子がいるなんて、
あなた、幸せよ。

Battle 29 宮殿内(皇都)

ワルター
き、貴様ら! これ以上、
ヴラド様の邪魔をするな!
お前たちには、ヴラド様が
やろうとしている事の
素晴らしさがわからないのか?
こんなちっぽけな島で
一生を過ごすより、
外の世界を見てみたいと
思わないのか?
若者よっ!!
お前は今の自分に満足なのか!
今までの全てを
壊してしまうほどの
衝動を感じた事はないのか
新しい世界を!
輝かしい栄光を!
未来を……
必ず……
ヴラド様がみせてくれるはずだ。
必ず…お前達にも……
ヴラド様に栄光あれ!
ルシアン
俺は、自分で見つけてみせる。
タイタス
しかし、ヴラドって奴あ、
デュレンとは違った、人を
引きつける何かがある様だな。
デュレン
うむ、そうかもしれんな。
次はいよいよヴラドだ!
奴の正体は皆の目で
しっかり見極めるのだ。

皇都 ヴラドの部屋

ヴラド
お揃いだな、諸君。こちらも
手間が省けたというものだ。
デュレン
ヴラド、久しぶりだな。
国王は我々が救出し、
我々の手で保護している。
それに、お前の右腕の
ヘルダーだがな、
奴も死んだ。
お前の陰謀にも
みんな気づいている。
もう、終わりだ。
じたばたせずにおとなしく
捕まえられてはどうだ。
ヴラド
ヘルダーは愚かだった。
人は皆、感情という名の酒に
酩酊し、理性的な判断を
失ってしまう。
彼もまた例外ではなかった様だ。
ヘルダーがいなくなっても
私の計画には何の影響もない。
デュレン
お前の計画とは一体なんだ?
多くの人間を不幸にしてまで
成し遂げようとするお前の
真の目的は一体なんなんだ?
ヴラド
目的?
私はこの島を覆う霧を晴らし、
新天地へと人々を導きたかった……
そして、
世界の恒久的な平和を実現する、
それが私の理想だった。
衆愚の思い描く地位や名誉など
何の足しになろう?
私は科学者として研究の成果を
確かめたいだけなのだ。
そのためには、少しばかりの
犠牲が伴おうと、やむを得ない。
私の研究の邪魔をすることは
許されないのだよ。
たとえそれが国王であろうと……
神であろうと。
研究の成果を見定めるには、
人の寿命はあまりに短すぎる。
わたしには、もっと時間が必要
なのだ。
私が人でなければならない理由など
微塵もないのだよ。

Battle 30 ラボ(皇都)

ヴラド
ほう、私が倒されるとは。
では人であることを
やめるとしようか。
 
ルシアン
あ! あれは
ヴラドなのか。
ヴラド
私の研究の邪魔をすることは
許されないのだよ。
たとえそれが国王であろうと……
神であろうと。
研究の成果を見定めるには、
人の寿命はあまりに短すぎる。
わたしには、もっと時間が必要
なのだ。
私が人でなければならない理由など
微塵もないのだよ。

Battle 31 ヴラド(皇都)

ヴラド
許さぬ……許さぬ!
(光るヴラド)
ヴラド くくっ、愚民どもが……
小賢しい真似をしてくれたな…
私は決して、貴様たちの前などで
ひざまずかぬ。
私がひざまずくとき……
それは新天地への道が
拓かれた時……
私の崇高なる理想が
果たされた時……
悠久なる無限の大地に
我が唇を重ねる時のみ
許される行為なのだ。
私は常に貴様たちの上に
立たねばならぬ存在なのだ!
(さらに光るヴラド)
ヴラド
解るか?
この意味が。
永遠に理解しがたいか?
デュレン……
そして、ルシアン……
ルシアン
……
デュレン
私は、彼らと共に歩む。
これからも……
人の上に立つという真の意味は
彼らと共に生きなければ解らぬ!
貴様のやっていることは
ただの独裁に過ぎん!
人としての痛みを知れ!
ヴラド
霧を一刻も晴らさねば
正しい進化は来ないのだ。
人の進化は案外早いものなのだ。
貴様のやり方では
遅いのだ……
遅ければ遅いほど人は
あらぬ進化を遂げていくのだ。
私はこの島を覆う霧を晴らし、
新天地へと人々を導きたかった…
そして、
世界の恒久的な平和を実現する、
それが私の理想だった……
デュレン
……ヴラド。
(爆発するヴラド)
タイタス
デュレン! ルシアン!
そろそろやばいぜ!
脱出しよう!!
 
ブルー
…………
これで全てが
終わった訳ではない……
私たちの罪が消えた訳でもない…
償いは続く……永遠に……
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