中空に浮かぶ精霊院〜最後の戦い

中空に浮かぶ精霊院〜最後の戦い

階段を登っていったら城の外に出られました。さらに進むと怪しげな通路をくぐりますが、モンスターはいっさい出ないし、静かなものです。

ありゃ、どうしてあんなところにシャノンがいるんだ?

しかし驚くなかれ。怪しい女というのは実は彼女のことだったのです。ギース王をそそのかし、ソルバリンやファーゴをたきつけたのもシャノン。ゼルスにウィンドシェードを渡したのもみんな彼女の仕業。

けれど彼女とは戦闘になりません。シャノンは「エーテルの書」をジャンジャックに渡し、自分が魔王に作られた存在であり、ジャンジャックに魔王を倒してほしいのだと告げるのです。彼女は人間を信じる気持ちの方が強くなっており、魔王に逆らおうとしているのでした。

魔法陣に足を踏み入れたジャンジャックは、中空に浮かぶ精霊院に至ります。もう後戻りはできません。最後のボス目指して、先へと進んでいくのみです。

最後のダンジョン、浮かぶ精霊院は、広さで言ったら、最大です。しかも、扉を開けるたびに新しいところに入るのですが、それがいちいち趣が異なっているという点においても異色ですし、イベント中しか訪れられないという点(当たり前と言えば当たり前ですが)もこの浮かぶ精霊院だけ。そしてここには、中盤のボスなど比べ物にもならないような難敵がわんさと出現するのでです。

まずは遺跡の庭のようなところ。だだっ広くて段差があります。床は石を敷き詰めた造りで、ところどころに石のアーチも立っています。扉は、いま出てきた物だけです。広いですが迷うようなことにはなりません。見通しは抜群の良さです。こういうところにはモンスターが出るのでした。

その筆頭がジャッジメント、巨大な像です。ワイバーンが空を飛んだままで、かつ足も地についているぐらいの高さがあります。雑魚モンスターでは最大の大きさでしょう。こいつの使う技は、遠距離だとロックロックシャワー、近づくとファイヤーピラーです。効果的なのは水の領域なのですが、なにしろでかすぎるので、アイスガスの射程内に集まってくれることがありません。ここは背後に回り込んでウォーターピラーが効果的。効率は悪いですが、仕方ありません。

しかしここでジャンジャックが倒されると、リオンのところまで戻されてしまいます。リオンのところからならブラニックの町まで戻れます(歩いてですが)から、経験値稼ぎも可ではあります。

スプリガンは巨大化したブルーマン。殴るのはそんなに恐くありませんが、サイレンスがちょっと厄介。

青白い亡霊のような馬はペイルライダー。竜巻とウィンドカッターを使い分けます。スプリガンとペイルライダーは、出現率も低めで、あんまり辛い相手ではありません。

固定で出現するすべてのボスも含めて、最強と言えるのはニドヘグ。赤とオレンジの蛇と言うより、手足のないドラゴンといった方がふさわしいような強さです。まずHPが高いです。集団性が強いので、ほとんど単体では出ません。なによりホットスチームが痛い痛い。もはや最強の精霊僧となったであろうジャンジャックでさえ、ニドヘグの一団と戦うとあっという間にぼろぼろにされます。ボスの場合は、ここで踏ん張れば、というので多少の無理もききますが、いわゆる雑魚モンスターの場合は先が読めないので無茶ができないのが辛いのでした。しかもここでは、辛くなったら町に帰るという作戦がとれません。幸いなのは、ニドヘグが集まりやすいので、アイスガスがかけやすいことです。実はこの魔法のありがたみは、終盤でこそ効いてくるのであります。

もちろん、ジャンジャックも新しい呪文が使えるようになっています。ロックコンボよりも小さい岩を雨霰と降らせるロックシャワーは、地・地・風の呪文。命中率がロックコンボより高いのはいいのですが、なにしろダメージが少なすぎて、浮かぶ精霊院ではまったく役に立ちませんし、他の地域でもこの一撃で全滅してくれるようなモンスターはもはや経験値にはならない雑魚ばかり。もっと早く覚えてくれれば、雑魚を一掃するなどの使い道もあるのですが。

水・水・火のウォーキングウォーターは広範囲に効くウォーターピラー。ただし、ダメージがウォーターピラーより小さいのと、付随効果がありませんから、アイスガスほどの使い道はないです。ウォーターピラーだと届かない敵に、どうしても攻撃したい時だけ使うのがいいですが、そんな状況には滅多に陥りませんからね。

水・火・地のドレインマジックは、MPを奪い取る呪文です。MPを40回復してくれる「気付け薬」よりずっと効率がいいので、MPが残り少ない時にはとても助かります。この魔法はモンスターが使わないという点もまる。必ず命中ではないので、奪ったMPで回復するのもお忘れなく。

地・火・風のマジックバリアは、すべての魔法攻撃を受けつけない最強の防御魔法です。直接攻撃には効果がありませんが、「エルテイル」のモンスターで言えば、直接攻撃を使ってくる奴の方が少ないのですから、これほど心強い魔法はありません。ところが筆者がその絶大な効能に気づいたのは再プレイの時だったので、マジックバリアの恩恵はまったく知らずにエンディングを迎えてしまったのでありました。また、終盤の雑魚戦はけっこう時間がかかりますから、途中で魔法が切れてしまうのも辛いものがあります。

水・火・風のインバリディティは状態回復のできるただ1つの呪文です。しかし、水の領域でも最高レベルでありながら、覚える頃には麻痺なんてさせてくる敵がいないという有様で、存在意義は皆無。そもそも麻痺だって、そんなに深刻な状況に陥る方が稀なのです。移動できなくなるだけでアイテムや魔法は使えるわけですからね。

地の領域で最高レベルの呪文は地・風・風のワイドウィークネス。モンスター全体にウィークネスをかけられるので、ずっと効率がいいのですが、こういう魔法はモンスターに回避されやすいのもお約束、そんな暇があったら、攻撃呪文でも唱えていた方がずっといいです。特に浮かぶ精霊院ではそんな余裕はありません。

ぽつんと立っている扉をくぐるとそこには別世界が広がっています。細い回廊です。上空はまるで夜空か宇宙のよう、道は真っ直ぐで、あっちこっちで90度に折れ曲がり、長く長く続きます。アーチをくぐり、タイルの上を走っていくと、やがて扉に行き当たります。この通路にはモンスターがまったく出ません。モンスターよりも細い回廊なんですから。おかげでぼろぼろになったジャンジャックもここで一息つけます。走りながらMPを回復して、HPも回復してから扉を開けるようにしましょう。浮かぶ精霊院では戻るということはいっさいできません。

屋外のようなところもあります。木があって、ちょっとした川を橋を渡って越えていく、森のような場所です。浮かぶ精霊院ではいちばん短い通路なのですが、モンスターの出現は高めです。「精霊との契約」を探してうろうろしていると、簡単にモンスターにぶつかってしまいます。また「精霊との契約」も、浮かぶ精霊院にはいっさいありません。

やがて、新しい扉をくぐったジャンジャックは、思いがけない人と再会します。精霊使いエポナです。ここが最後のセーブ地点となります。もちろんエポナはHPとMPも回復してくれて、言葉も少なにジャンジャックに先へ進むように告げるのでした。

入ってきた扉から出ると見覚えのあるところに出ました。いちばん最初の町、インパネスにそっくりの光景です。辺りが異常に暗いことと、人の姿がまったく見えないことのほかは、インパネスの町に帰ってきたのか錯覚させられるほどです。しかし、扉を開けてみようとすればわかります。ここは魔王が作った偽りの世界であることが。

「存在しない扉」いつものように扉を開けようとしたジャンジャックに、たった1つの扉を除いて、そう言われてしまうのです。幸い、ここにはモンスターが出ませんから町中うろついてみますが、なにもイベントは起こりません。もうジャンジャックの進む道はわかっているはずだと言わんばかりに。

開けられる扉は1つしかありません。精霊院に続く扉です。そこを開けてみると、また戦場がジャンジャックを待っています。

庭のようなところと細長い回廊、森のなかの道を通り抜けますと、いままでとはまったく違う、暗い空間にたどり着きます。道は上へ昇っている。その先に見える巨大な影、あれが魔王でしょうか?

そう、「エルテイル」で最大のモンスター、魔王マモンです。1000年前にエポナに封じられたマモンは、虎視眈々と復讐の機会を狙っており、ついに封印を解いたのでした。これが本当にジャンジャック最後の戦いです。

マモンの攻撃力はさすがに最大級、HPもMPも満タンで望んでも、あっと言う間に削られてしまいます。だけど、こっちだって何の準備もせずにのこのこやってきたわけじゃありません。貴重なHP回復アイテムもこれが最後の機会、惜しげなく使い切ってしまいましょう。

最後の戦いでは1つ特筆すべきことがあります。マモンは直接攻撃が届かないところにいるのです。いままではどんなモンスターでも殴ることができたのに、マモンにだけは決して届かないのです。そうと知らずに直接攻撃専門で戦闘してくると、とんでもなく苦戦させられます。いちばん最初に「不利な展開になる」と言ったのは、まさにこのマモン戦に備えてのことだったのでした。

(実は、マモン戦、肉弾できます。右手の高台に乗れば、マモンにも杖が届きます)

しかし、最初はそういう失敗を犯してしまった筆者ですが、今回は違います。ふっふっふ、そっちが最大ならこっちだって最強の精霊僧なのだ(たぶん)。これでもくらえ! とロックコンボを唱えてみれば、身体が大きいだけにマモンにはおもしろいように当たります。最大のダメージが降っていくさまは見ていて痛快なほどで、かくして最後の戦いは、あっけなくついたのでした。

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