ダーラムの町に近づいていくと、モンスターも新しいのが出てきます。ロックを使うマンイーターは骸骨や木の枝をアクセサリーにしたスライムのようなモンスター。ただし、使う魔法はロックだけなので、離れてロックを打ち合うよりも、接近してウォーターピラーをぶつけ、相手のロックは頭上を通り過ぎるだけ、という戦法が取れます。これがジャンジャックよりもずっと大きいモンスターだと、至近距離でロックを打っても当たるのですが、10歳児と小さいジャンジャックには至近距離でロックを打つモンスターは、その周囲が安全地帯になるのです。同じ性質のモンスターにオークジュニアがいます。一度のウォーターピラーで倒せなければ、モンスターの間を走り回って、ロックを避けるのが有効。喰らうダメージはできるだけ抑えるのが吉。
次はカバのようなビッグマウス。ウォーターピラーを使うモンスターですが、戦闘開始から2〜3ラウンドはジャンジャックに接近できず、遠距離攻撃の手段がありませんから、マンイーターとは逆に、移動しながらロックを当てていくという戦法が効果的。HPはこの時点ではいちばん高いのですが、接近さえしなければ、一度もダメージを受けないで済むので、実はお気楽なモンスターです。必ず1体でしか現れないので、ダメージを受ける方が珍しかったりします。
マンイーターやビッグマウスに遭遇するようになるといよいよダーラムの町は近いです。ここは少し無理をしてでもダーラムに入ってしまうことにします。今度はダーラムの町を拠点に足を伸ばしていけばいいのです。
ダーラムは土の町。ここは焼き物が盛んで、英雄王グレン=スコットフォルトが治めています(どこらへんが英雄なのかは謎ですが)。町のなかをうろついて、アイテム屋では忘れずに「旅人の黄色いつばさ」をもらってください。アイテムをくれる人もいますし、精霊との契約も忘れずに。隅々まで町のなかを走り回って、それから王宮に寄って王様に挨拶しにいきます。精霊院からの使いがあったということで人々はおおむね好意的にジャンジャックを迎えてくれます。
しかし、ダーラムの町では難問が持ち上がっていました。盗賊ソルバリンに大地のオーブを盗まれて、「エーテルの書」どころじゃないというのです。盗賊はダーラムの町から南西に行ったところにあるジャンバットの森に逃げ込んでいるとか。お転婆なフローラ王女は、自分で盗賊退治に行こうとしたほどですが、王様に停められてしまいまして、ダーラムの兵士があまり役に立たないので、ジャンジャックになんとかしてと打ち明けます。
インパネスの町の宿屋で初めて逢った、美しい旅人シャノンもダーラムに来ています。彼女が言うには盗賊を倒さないと次の地域に進めないらしいので、ここは素直に主人公の出番。盗賊退治に行きましょう。
ダーラムの町からジャンバットの森の間には、さらに2種類のモンスターと出逢います。必ずペアで現れるパラソリアンとアンブレアンです。アンブレアンはファイヤーボールを使い、こっちがウォーターピラーを使えば2回で倒せるようなモンスターですが、パラソリアンはジャンジャックを麻痺させることもある、アイスナイフという呪文を唱える強敵です。麻痺は序盤からけっこうモンスターが使ってくる攻撃で、実はジャンジャックの状態異常は、麻痺しかありません。麻痺させられると移動ができなくなるだけで呪文を唱えたり、アイテムを使うことはできるのですが、向きも変えられませんので後ろから麻痺させられるのはけっこう厄介なのです。現在ジャンジャックの使える魔法は、必ず前方にしか打てないからです。ただ、この2種類のモンスターは出現頻度はそれほど高くありません。
ジャンバットの森に向かう途中で一、二度、ダーラムの町に戻る必要はありますが、ジャンジャックもそれだけ経験を積んでいるので、特に攻撃力は上がっています。この時点での最大の問題は、効率よくモンスターが倒せるようになったので、むしろHPの伸びが悪いということです。HPを伸ばすにはなにしろ敵から攻撃を受けるしかないので、実はMPよりもずっと伸ばしやすい能力値なのですが、無理にダメージを喰らうのも精神衛生上良くありませんので、ここは楽観的に進んでいくことにしました。アイテムを消費しなくてもこまめに町に帰っていればなんとかなるでしょう。
さて、ジャンバットの森に入るとモンスターの顔ぶれががらりと変わります。なじみになったモンスターたちはいっさい出てこないのです。攻撃力もHPも段違いに高い強敵ばかり。序盤の難関です。