強敵の多かったダーラムフラットに比べて、ウエストアングルスのモンスターはちょっと知った顔が出てきます。最弱のウェアラビットです。オークジュニア、アンシリーコート、グレムリンと、ちょっと癖のあるモンスターとともに出てくることが多く、たまにウェアラビットだけで集団で出没することもありますが、しょせんは雑魚、集団に攻撃できる魔法があればわずか1ターンで戦闘は終わりますし、そうでなくてもいまさら1のダメージを受けても、どうということはありません。
オークジュニアは、ローブを着た小さいオークで、背の高さがジャンジャックと同じくらいです。これはかなり小さい部類に入ります。遠距離攻撃としてロックを使ってくるのですが、後にも先にも攻撃方法がロックしかないものですから、懐かしのマンイーター同様、近づけばそこが安全地帯となります。地の魔法には予想以上の抵抗力がありますが、危険度はウエストアングルスでいちばん低いでしょう。
アンシリーコートは、一見緑色のフード付きコートを着た、赤毛の少女というモンスター。見るからに人間くさくないモンスター揃いの「エルテイル」ではかなり異色です。ただし、見てくれの可愛さに比べて、攻撃方法はかなり厄介。必ず数歩後退して、ジャンジャックにひたすらアイスナイフを打ち込むのです。アイスナイフを使うモンスターはほかにもいますが、このアンシリーコートほど戦闘フィールドをめいっぱい使い切るモンスターは稀です。それも周囲に広がっていくので、アイスナイフで麻痺させられたりすると、戦闘が異様に長引いてしまいます。とりあえずロックで応戦するのですが、射程はロックの方が短いらしく、そのうちに届かなくなります。また、時々ウィークネスも使ってくるのが侮れないところ。なかなか速攻で倒せないモンスターなのです。
グレムリンは顔は恐いのにまとったパラソルが白地に赤の模様というところが妙な緑色の小鬼。遠距離のウィンドカッターはさほど恐くありませんが、アイスガスで麻痺させられた後に使われるのでは話が別。アンシリーコート同様、一方的に攻撃されてしまうことも珍しくありません。麻痺を回復するにはアイテムではなく、水の精霊レベルが46で覚える、水・火・風のインバリディティという呪文のみなので、ずいぶん長いこと麻痺には悩ませられます。グレムリンは背後から攻撃して麻痺させることもあるため、これらのモンスターのなかではいちばん手強いのです。
途中で分かれ道があり、看板に左に曲がるとウィンドワードの森、真っ直ぐ進むとララプールの町とありますが、ここは「旅人のつばさ」をもらって、町を拠点にできるようにララプールに向かいます。宿屋は各地にありますが、アイテムや呪文で移動できません。現在のジャンジャックが即座に戻れていちばん近いのはダーラムの町だからなのです。
ララプールは水の町です。町は周囲を川に囲まれて、中央には大きな噴水まであります。町のなかで滝まで見られる景観なんて、RPG数々あれど、そうそうあるものじゃありません。町の住人も、「リディーンの城も立派だが、セルトランドでいちばん美しいのはこのララプールの町だ」と言ってはばからないほどです。町自体は噴水を中心に主要な施設が同心円上に配されているので規模としてはいちばん小さいです。
例によって町の隅々まで歩いてみますと、宿屋の2階で精霊使いの女性、レイラに遭います。彼女はエポナの使いだと名乗り、ウィンドワードの森に悪意に満ちた風が吹いていることを告げます。それはジャンジャックにウィンドワードの森に行けってことですね?
また、ジャンジャックの行く先々に出没するシャノンは、レノス湖の定期船が運航できなくなり、このままだと先に進めないことを教えてくれるのです。レノス湖の船だったらさっき乗ってきたやつですな。あれから動かなくなっちゃったの?
よし、と早速ウィンドワードの森に向かってみますと、入り口にかかる橋が何者かに壊されて、ララプールの側から入れないことが判明。これはタスクハザードに行けってことなんでしょうなぁ。
念のため船着き場に戻ってみますと、船頭のおじさんは「レノス湖に風が吹かなくなったので船が動かせなくなってしまった」と言います。ここでウエストアングルスの地図を確認しますと、ララプールの町と、ウィンドワードの森とタスクハザードを挟んで、ハリエルの町があります。つまり、タスクハザード経由、ハリエルの町経由でウィンドワードの森に向かわなければ、にっちもさっちも行かないってことなのでした。
ララプールの町からタスクハザードまでは街道を外れます。まずはタスクハザードの入り口に建つ小屋を目指していきましょう。もちろん新手のモンスターが出現します。だけどジャンジャックは前進あるのみです。
まずは暗い赤の犬、ゴーストハウンド。懐かしのヘルハウンドと同種のモンスターで火の息を吐く代わりに水の領域に弱いのです。
次はHPが高く、攻撃力もウエストアングルスでいちばん高いウルフゴート。巻いた角も立派な岩山羊ですが、ウルフの名は伊達じゃありません。なかなか凶暴なモンスターです。たいてい2匹以上で現れて、近距離だろうが遠距離だろうががんがんロックコンボを使います。
もちろんオークジュニアやアンシリーコート、グレムリンといったなじみも出てきます。そんなこんなで1、2回はララプールの町に戻らねばなりません。まぁ、毎度の経験値稼ぎです。
そのうちに新しい呪文も覚えます。すでにモンスターにはさんざん使われている水・水・風のアイスナイフです。この呪文は単体にしか攻撃できないのが最大の欠点ですが、なにしろ水の領域では初の遠距離攻撃呪文です。水の領域では射程がいちばん長いので、終盤までけっこうお世話になるでしょう。